第1回 千葉の鉄道写真コンテスト 結果発表

審査 総本部事務局長 勝又ひろし

総評
鉄道王国千葉県らしく、みなさんあまり苦労しないで様々な鉄道を写しているように思えました。絶好の撮影ポイントに恵まれていることは諸刃の剣で、作風が似てきて写真の個性が際立たなくこともあります。いまの「鉄道写真」は、鉄道自体は脇役に添え、情景の描写や、アート的なアプローチをとる作品が増えています。プロのエッジの効いた作品を真似する必要はありませんが、被写体そのものでは差別化しにくいので、時間や場所などを工夫して個性ある作品を目指してください。
 
 

<最優秀賞>「朝もやに突入」清水克機(勝浦市)もやというよりも「けあらし」などと呼ばれる蒸気霧かもしれません。電車と霧にも雰囲気がありますが、画面の半分を覆う、うっそうとした木立がポイントです。まるで黄泉の国から一瞬出て、また戻っていくような小さな電車。そのはかなげさが印象的です。
 
 

<朝日新聞社賞>「夕暮れを行く」保川久夫(茂原市)この写真のミソは、日本の地方を象徴するオブジェクトがたくさん写っていることです。田んぼ、稲荷、鳥居、火の見やぐら、大樹、山々。そこを鮮やかな色のローカル線がコトコトと走り抜ける。懐かしさと旅情をさそう絵画的な作品です。
 
 

<全日本写真連盟賞>「ここ だいすき」出塚哲也(千葉市)時代を超える写真というものがありますが、これはまさにそう。古い駅舎や母子のたたずまいが、千葉の鉄道写真コンテストにふさわしい、いつ撮られてもおかしくないような癒やされる作品です。モノクロにしてもよかったでしょう。
 
 

<優秀賞>「茜雲の下」熊切正一郎(いすみ市)有名な撮影ポイントだと思いますが、夕闇の市原市の工業地帯が不気味に黒く沈み、富士山の様子もただならぬ感じ。そこから電車が急いで逃げ出すように見えます。いろいろ感情移入ができる写真です。
 
 

<優秀賞>「朝もやの始発」松本幸雄(千葉市)大地も空も森も電車も、全体的にオレンジ色のモノトーンになっているのが魅力です。まるで止まっているような始発電車が、静けさを象徴しています。
 
 

特 選 (1) 月夜の犬吠 川口喜夫
 
 

特 選 (2) 春の水郷佐原 丹羽敏憲
 
 

特 選 (3) ぽっぽや 森慎吾
 
 

特 選 (4) 危険じゃないの 福田一男
 
 

特 選 (5) 軌道点検中 加藤爲之
 
 

準特選 (1) 房総半島に雪の花 森田正博
 
 

準特選 (2) 列車到着 福井幸
 
 

準特選 (3) 校外学習 大野初江
 
 

準特選 (4) 茜さすキハ 佐藤国利
 
 

準特選 (5) 遠い汽笛 古美山貴善
 
 

入 選 (1) 朝焼けのローカル線 榊昭治
 
 

入 選 (2) 小雨のSL 正法地健
 
 

入 選 (3) 鉄路 坂部昌也
 
 

入 選 (4) 残照 横山健二
 
 

入 選 (5) イチョウのじゅうたん 渡邉安雄
 
 

入 選 (6) 霧の朝 八木茂樹
 
 

入 選 (7) 夜桜 佐藤達也
 
 

入 選 (8) おはよう 石川良彦
 
 

入 選 (9) ムーンライト 浅見行男
 
 

入 選 (10) 電車入線中 松浦昭彦
 
 
スマホ賞

レーザービーム 清水健吾 九十九里支部
 
 

ターミナル 福井秋廣 流山支部
 
 

二人いっしょに 中村哲 千葉支部
 
 

祈りを込めて 河合香都子 千葉支部
 
 

余韻 宮崎勝弘 長南支部
 
 
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